台湾政府の統計から見る主要都市の犯罪率と犯罪傾向

こんにちは、まちゃです。

私は台湾に住んで5年になりますが、台湾は海外の中でも治安の良い部類の国と断言していいかと思います。

外務省の海外安全ホームページでも「治安は比較的良い」とされていて、実際にこの5年間で凶悪な犯罪に巻き込まれるようなことはありませんでした。

信号待ちしていたら腕時計を奪われるとか、iphoneを使っていたらひったくられるなどは無縁と言っていいと思います。

ただ、同時に外務省は「人口当たりの刑法犯認知件数は日本の約1.5倍となっており注意が必要」とも呼びかけています。

これから駐在員として台湾への赴任を予定している方、留学や移住を検討している方などは特に台湾の治安について興味もあるかと思います。

今回は、台湾政府の行政院や内政部が公開している2019年の犯罪統計資料から各都市別の犯罪発生率などを見てみましょう!

もくじ

台湾、地域別の犯罪発生状況

今回参考にしたデータは全て、台湾の政府が公開している資料です。

内政部(日本で言う総務省に相当)は犯罪統計を含め、様々なデータをWeb上に公開しているので興味があれば検索してみてください。

台湾の各都市の年間犯罪件数

はじめに、2019年に台湾各都市で発生した犯罪の件数をみてみましょう。

2019年は年間で268,349件の犯罪が発生しています。

台北市40,098南投縣6,339
新北市39,649嘉義縣6,086
高雄市27,596花蓮縣6,080
台中市24,670基隆市5,300
台南市24,450苗栗縣5,124
桃園市19,757新竹市4,373
彰化市13,324嘉義市3,344
屏東縣9,814台東縣3,049
雲林縣8,055澎湖縣1,060
宜蘭縣6,821金門縣950
新竹縣6,695連江縣88
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純粋な発生数ですので、やはり人口の多い都市部が上位に来ますね。

私が以前に1年間だけ住んでいて新竹市は栄えている割りに犯罪が少ないですね。

美味しい店は少なかったけど、のんびりしていて良い街でした。

後は、総じて離島は犯罪件数が少ない傾向にありますね。

次に、人口別の犯罪発生数をみてみましょう

台湾各都市の人口別犯罪発生率

ここでは、人口10万人あたりの各都市の犯罪発生率を見ていきましょう。

各都市の純粋な治安の良さの参考になると思います。

花蓮縣1,858雲林縣1,178
台北市1,509彰化縣1,044
宜蘭縣1,500澎湖縣1,011
基隆市1,434高雄市995
台東縣1,399新北市989
台南市1,298新竹市977
南投縣1,279苗栗縣936
嘉義市1,247桃園市884
嘉義縣1,204台中市878
新竹縣1,194金門縣679
屏東縣1,193連江縣673
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花蓮が目立って高いですね。

発生件数では大体同じ数だった台北市と新北市ですが、人口あたりのデータでは台北市が2位、新北市が16位と大きく差がついています。

これは人口は住民票ベースのカウントですが、犯罪は発生地点が基準になっていることが関係していると思われます。

ベッドタウンの新北市から台北市に来て犯罪を犯す人がいた場合、台北市でカウントされます。

私は新北市の中でも治安が悪い方の三重と言う地域に住んでいますが、正直お行儀の良い台北市民と比べると住人のタイプがかなり違います。

台湾各都市/主要地域別発生犯罪内訳

ここからは内政部警政署のデータを基に、主要都市で発生した犯罪種別を割合で見てみましょう。

それぞれの都市で遭遇しやすい犯罪の傾向を見ることができると思います。

元の資料で分類されている犯罪は「機車竊盜(バイク盗難)」「汽車竊盜(車盗難)」「住宅竊盜(空き巣)」「強盗(強盗)」「搶奪(ひったくり)」「強制性行(強制性行)」「毒品(ドラッグ)」などを指しています。

しかし、以下の資料では意図的に「毒品」を省いた形で資料をまとめています。

理由は全ての都市で圧倒的に多いのが「毒品」関連の犯罪だからです。

台湾ではKTVやクラブ、あるいはネットでドラッグが低価格で手に入るため、若い世代への違法薬物の蔓延が大きな問題になっています。

ほぼ全ての都市/地域で、他の全ての犯罪件数を足したよりも遥かに多い数の「毒品」犯罪が発生しています。

例えば台北では8割以上を「毒品」が占めてしまい、他の種別がグラフ上で判別しにくくなるほどです。

ですので、以下の資料には記載していませんが全ての地域で断トツの1位は「毒品」です。

ネット購入は主体的に探さないとたどり着かないので問題無いとは思いますが、留学生などは学校の友達や言語交換相手に誘われてクラブに行く機会もゼロではないと思います。

安易な気持ちでドラッグに手を出さないように注意して過ごしましょう。

台北市

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台湾の首都、台北市。

バイク泥棒と、高級住宅街もあるからか空き巣の占める割合が多いですね。

移住者でもなければマイバイクを持つ事はないと思いますが、家もバイクも施錠は忘れずに!

新北市

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首都台北のベッドタウン新北市。

圧倒的なバイク窃盗率!

台中市

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開発も進み、住みやすいと評判の台中。やはりバイクの窃盗は圧倒的に多いです。

他都市と比べて突筆すべきは、昨年1年間だけの統計上の話ではありますが強制性行が無いことですね。

台南市

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台北や高雄とも違った食文化や歴史ある建築物が人気の台南。

台北に次いで空き巣が占める割合が多いです。

高雄市

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高雄は新北、台中と共にバイク窃盗の割合が非常に高いです。

車の窃盗と合わせて全体の9割近くを占めています。

花蓮縣

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観光で人気の花蓮。

台北や台南と同じく、空き巣が2位に入っています。

澎湖縣

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こちらも観光地として人気で、日本語で語学留学の広告もたまに見かける澎湖縣。

流石に離島なのでバイクや車の窃盗は減り、代わりに7割近くを占めているのが空き巣。

そして特徴的なのが性犯罪の占める割合。

海で遊ぶことが多かったりすると開放的になっちゃうんですかね…犯罪者のアタマが…。

まとめ

毒品を除けば、台湾で発生している犯罪の大部分はバイクや車の窃盗という結果でした。

留学生や駐在員で車両を購入する人も少ないと思いますので、日本人が台湾で犯罪被害に遭う確率はやはり低そうです。

夜市や観光地でのスリに気をつけることと、夜遅くに女性が一人で汚なめのタクシーには乗らないなどに気をつけていれば概ね安全に暮らせるかと思います。

むしろ犯罪よりも交通事故に気をつけたほうが良いくらいですね。

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