日本がゴールデンウィークの2019年5月4日、台北で台北101垂直マラソンが開催されました。
私も参加してきたので、その様子や準備などをまとめます。
台北101垂直マラソンとは?
台北101垂直マラソンは、文字通り台北にある高層ビル「台北101」の1階から展望台がある91階まで階段で登る大会で、2005年から開催されている歴史ある?大会です。
こうした階段登りは、中国語では「登高(Dēnggāo)」と呼ばれています。
この大会も以前は台北101登高と呼ばれていましたが、現在は台北101垂直馬拉松に改名されました。
台北101垂直マラソンの申し込み方法
毎年始めに開催日が公表され、開催1か月半前くらいに申し込み受付が始まります。
今年(2019年)は5月4日が開催日で、申し込み開始は3月29日でした。
申し込みはこちらの台北101垂直馬拉松の公式サイトから。
3月29日は台湾時間の15時からWEBサイトでの申し込み受付が始まったのですが、仕事が終わって19時頃に申し込もうとした同僚は既に締め切られていたそうです。
私は17時ごろにしれっと仕事中に申し込みをしたので参加出来ましたが、それでも受付番号は4,500番台でした。5,000番までだったので、結構ギリギリ…。
ちなみに、台北101垂直マラソンは20人1組の団体申し込みも可能です。
申し込みの際には、住所氏名年齢等の基本情報の他に身分証番号が必要になります。
外国人の場合、台湾のID(統一證號)かパスポート番号で申請が可能。パスポート番号でもokなので、台湾の居留証を持っていない人や海外在住の方でも参加可能です。
また、申し込み時に参加記念のトレーニングウェアとタイム記録用のICチップの受け取り方法を選びます。
郵送か、事前受け取りか、当日受け取りの3種類があります。郵送は台湾内のみが対象で、日本への発送は対応していません。
私は台湾の家に郵送を選択しました。
海外在住の方は、台湾に住んでいる知人に受け取ってもらうか、大会当日受け取りになるかと思います。大会中に宿泊するホテルに事情を話してok貰えれば、ホテルに送付も可能かな??
大会の1週間以上前には届いてしまうので、ホテルに送付するならちゃんと許可貰ってからですね。宿泊先にご迷惑をおかけしないように!!
事前送付品の中身
事前の送付品はこんな感じの黒い袋で届きます。
中には茶色い封筒。
袋を開けると、記念のトレーニングウェアとゼッケンと当日の会場案内図。
そして、記録用のICチップと応援者用の展望台入場チケット。
当日提出する問診票。
問診票は全部中国語なので、気合いで読みましょう!
簡単な言葉ばかりなので、Google翻訳と手書き入力等を使えば理解できると思います。
台北101垂直マラソンに向けての事前トレーニング
台湾で何度かハーフマラソンに参加したことはあったのですが、流石に階段を1階から91階まで登った経験はありません。
むしろ、駅の階段で息切れするくらいの衰えっぷりです。
何の準備もせずに臨んで心筋梗塞とかはシャレになりません。
と言うわけで、大会1か月くらい前から会社帰りはYou-bike(台湾のレンタル自転車)で小一時間かけて帰宅。
週末には近所の公共のスポーツセンター(運動中心)で走り込みをしました。後は、普段の生活でエスカレーターを使わず階段で移動を心がけたり…。
書いてて思ったけど、大会とか関係なしに普段からこの程度の運動はしないとダメですね!!
子供生まれてから、スポーツする時間が取れず完全に運動不足です。
ちなみに台湾は公共のスポーツセンターが安くて設備も充実しています。
1時間50元で利用できるので本当にオススメです!
台北101垂直マラソン大会前日〜当日の様子
職場が台北101のオフィスフロアにあるので、大会前の設営の様子も見ることができました。
こちらは1階のスタート地点周りの設営中。
オフィスフロアの廊下には、給水所の準備が!
台北101の入り口前にもイベントスペース設営中。
5月とは言え、台北は30度近いので屋外の設営作業は大変そう…お疲れ様です!!
台北101垂直マラソン大会当日
大会当日の流れは、まず朝8時半から招待選手等のガチ勢が走り、次に個人応募の参加者、最後に団体応募がスタートという流れで進みます。
超高層ビルの台北101とはいえ、階段は普通の屋内の非常用階段です。特別幅が広いわけでもありません。
数千名が一斉にスタート出来るはずもなく、一人ずつ数秒置きにスタートしていきます。
ゼッケンが4525番の私のスタートは昼の12時台。
これまで参加してきた台北のマラソンは都市型マラソンの宿命か朝5時台6時台スタートとかだったので、今回は時間的に随分余裕がありました。
家で朝食を軽く食べて、子供と遊んでから出発。それでも受付開始時間より早く着いてしまい、社員証を使ってオフィスへ。
オフィスでウェアに着替え、受付を済ませに1階に降りる前にオフィスの入っているフロアをウロウロしてみると…大会用に設置された給水所で座り込んでいる方々が!!
ウチのオフィスは101の真ん中くらいなので91階はまだまだ先ですが、皆様疲れ切っている感じの表情。こりゃ結構きつそうだ。
ちなみに着替えは現地101の会場に男女別の更衣室が設営されていますので、ご安心を。
ゼッケンを着けたウェアに着替えて問診票を持って、受付へ。
そこで待っていたのが何気に難関だった事前の身体能力テスト。
両腕を胸の前で交差して、左手で右肩を右手で左肩を掴むセルフハグみたいな状態で左足のつま先を右足のかかとにつけて30秒目を閉じるというテスト。
これやっていただくとわかると思いますが、唐突にやってと言われると結構キツイです。
何度かバランスを崩しながらも何とか30秒耐えて、どうにかパスしました。
テストをパスした先は選手の控え広場になっています。
着替えを入れたカバンを預けるクロークエリア。
一般的な流れとしては、会場の更衣室でウェアに着替え→荷物をクロークに預ける→マラソン終了後に荷物受け取り→更衣室で着替えという流れですね。
基本的に悪意ある大会スタッフが荷物を盗むとかは無いと思いますが、荷物の取り違え等も100%起きないとは言い切れないので貴重品は持ってこない方が良いと思います。
着替えと最低限のお金のみ預けて、スマホは走る時も携帯した方が良いでしょう。
私はオフィスに荷物を置いてきたので、今回はクロークは利用せず。
他には選手が無料で利用できるマッサージエリアも!
いよいよスタート地点に向かいます。
当日の101周囲には、いたるところに案内が。
101ビルに入る所で記録用ICチップのチェックエリアがあり、ディスプレイに自分の名前が表示されます。いよいよスタートが近づいているんだと、ちょっとドキドキ。
スタート待ちのウェイティングゾーン。
みんな記念のウェアを着ています。
私はタンクトップって腋の処理して着るの?着ないの?が気になって、結局着ない方を選びましたが、そうかTシャツの上から着ればいいのか!
ゼッケンのピンセットでシャツに穴開かなくていいし、これが正解な気がしてきた。
台北101垂直マラソンスタート
1列に並び、数秒置きにどんどんスタートしていきます。
一斉によーいドンでスタートがないので、何か流れ作業で出荷されていく気分…。
スタートの際にも、ディスプレイに自分の名前が表示されます。
今回は完走が目的なので、そこまで気負いはなく、この時頭にあったのは筋肉痛で月曜会社行けなくなったらどうしよう…くらいでした(笑)
それでも、新しい挑戦が始まるドキドキ感はいいですね。
スタートしてすぐは軽快に進みますが、3階くらいで早くも足がダルくなりはじめます。
早っ!とか思うかもしれませんが、これが運動不足の一般人の現実です。
普段デパートの3階まで行くならエスカレーターだし、オフィスが3階にあったらエレベーターですからね。
もう、5階くらいで息が切れ始めます。
この辺りで普段のマラソンとの違いに気付いたのですが、ビル内部の非常階段ってすごく空気が重いというか、風通しが悪いというか、素で息苦しいんですね。
こりゃ思っていたよりキツイ。
しかも101の非常階段は完全に屋内にあり外の景色が見れないので、ひたすら階段と手すりだけを見て登り続けます。
幸いだったのは、思っていたよりも膝への負担が少なそうなところ。
平地や下りにくらべて、衝撃が少ないのかな?
その代わりに、太ももとふくらはぎへの負担は大きいです。
心を無にして、ひたすら登り続けてようやく20階。
通常のマラソンと違い、狭い非常階段を進むレースなのでコース沿いに給水所を設けられません。
ですので、一度コースから外れてフロアの廊下に出て給水をします。
記録を狙う際は時間のロスが多すぎるので、きっとガチ勢の皆様はノンストップで登るんでしょうね。凄すぎる。
私は迷わず給水です。むしろ廊下に座り込んで休憩してました。
スタートしたばかりで情けないと思う方もいるかと思いますが、ここ20階ですからね。
20階を階段で登るとか、普通絶対にやらないですからね!
その後も8階置きくらいに給水所があります。
30階を超えた辺りから、心が無になってきます。
ただただ階段と手すりだけを見て足を動かします。
42階にて。
Twitterでも呟きましたが、本当に見なきゃよかった…(全然心が無になっていない)。
この辺りから、給水所ではなく階段の踊り場でへたり込んでいる人もちらほら見え始めます。
たまに空調から冷風が出ているエリアがあるのですが、立ち止まりたくなるくらい気持ちいい…。
59階には医療班が待機していました。
絶賛大会開催中ですが、医療班は全員でお食事タイム。
しかし、カウンターにはこれが。
コールドスプレー!!
太ももとふくらはぎの痛みが和らぎます。
この神アイテムの力でやや復活。
ゴールが91階なので残りは32階。
もう3分の2が過ぎました!
時計がちらっと目に入りましたが、ここまでで大体30分ちょっと。
毎回休憩取っているので、ペースは遅めですね。
その後も休みを取りながら、ひたすら階段と手すりを見て進みます。
70階位で少し限界が来て5分くらい座り込んでしまいましたが、何とか84階、最後の給水所です!
90階!地上386m!!
そしてゴールの瞬間!
ずっと建物内の非常階段を登ってきたので、91階の展望台に出た瞬間に広がる空が最高です。
少し天気が悪く肌寒い気温でしたが、むしろ気持ちいいくらい。
91階からの眺め。
台北の街並みが遥か下に見えます。
ここまで登ってきたんだなーっと実感。
展望台では休んでいる人や記念撮影をしている人が沢山いますが、係の人が「今のうちに降りないと、下りのエレベーターが1時間待ちになるぞー」っと大声で案内しています(笑)
確かに、この後団体参加組も続々ゴールしてくるので早めに降りた方がよさそう…。
関係者用のエレベーターで、ダクト等で入り組んでいるビルのバックヤードを通りながら1階に降ります。
普段通れないエリアなので、ちょっと面白い。
1階の完走者用カウンターで記念品と記録を印刷した賞状を受け取ります。
記録は…ギリギリ1時間切れたくらい。
ちなみに今年の1位は10分ちょっとで91階まで登っています。
1分ちょいで10階を登るって、世界が違い過ぎてどうやって登ったのか想像もつきません…。
今回は何より完走を目標にしたので全ての給水所で休憩取りましたが、要領も掴めたので次回は記録更新したいですね。
お姉さんと記念写真。
完全に疲弊したおっさんの顔です。
ただ、思っていたより身体への影響がなく、力尽きて歩けなくなることもありませんでした。
帰宅後に確認した完走記念品がこちら。
面白がって近づいてきた子供の足が映っちゃってますが…。
記念メダルやお菓子、エナジードリンクと共に、しれっと入っているグルタミン。
協賛企業の提供品だと思いますが、気が利くというか商魂たくましいと言うか(笑)翌日以降に筋肉痛が来るかなと思っていましたが、意外にも一切ありませんでした。
いい記念にもなるし、来年も参加したいなぁ。
いつか子供と一緒に参加したいけど、それまで体力保っていられるかな…。
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