【台北に舞う雪(原題:台北飃雪)-2009年】
この映画は台湾の風光明媚なローカル線平渓線の終着駅、菁桐を舞台にしたラブストーリーです。
台湾で中国語を学んでいる人にはなじみ深い台湾訛りの中国語ですので、非常に聞き取りやすいです。
映画の見どころは何と言っても主演の2人が徐々に惹かれあっていく姿が丁寧に描かれている恋愛映画の部分ですが、劇中では台湾の地方都市の豊かな自然や文化、そして郷愁を誘う音楽が随所に出てきて、まるで旅行をしている様な気分も味わえます。
私がまだ台湾に移住をする前、たまに旅行で台湾に行く位だった時にこの映画を見て、次の3連休で台湾に観光に行くことを即決したくらいです。
本当に、台湾の魅力がたっぷり詰まった映画です。
中国語を勉強中の人にも、台湾が好きな人にもオススメの映画です。
主演はチェン・ボーリン(陳 柏霖)とトン・ヤオ(童瑶)。
チェン・ボーリンが演じる青年モウは、菁桐で万事屋をして生活をしている若者。
ある日配達先のカフェで酔いつぶれてしまった女の子のホテル探しを頼まれたモウは、彼女をホテルに送る途中で、彼女が声を上手く出せない事を知ります。
一方台北のとある芸能事務所では、新人歌手のmayが失踪し大騒ぎになっていました。
そんなオープニングから始まる映画「台北に舞う雪」は、台湾の地方都市であり観光地でもある菁桐を舞台にして徐々に惹かれあうモウとメイの2人の関係が丁寧に描かれます。
個人的な見どころは、主役のモウです。
素朴な若者のモウがメイに惹かれて一途に彼女の身を想い続ける様子がとてもけなげで、女性に優しい台湾男性の特徴がしっかり描かれているように思います。
初めにモウがホテルにメイを送る途中で、こうしないと声が届かないからと耳元でささやくメイに戸惑っている様子がいきなり可愛いです。
言葉を話さなかったメイが、モウに「小莫」と呼びかけるシーンから、メイもモウに惹かれ始めていることが描かれ始めます。
そして、そこからの映画の後半でストーリーが急速に動き始めます。
モウとメイ、メイを追う記者、芸能事務所のメンバー。
それぞれの思惑が絡み合いながら進むストーリーの中で、モウとメイの恋の結末は、メイはまた歌声を取り戻すことができるのか、最後まで本当に目が離せない展開の連続です。
魅力的な登場人物が多い映画ですが、私が主役の2人以外で特に好きなのがメイを追う記者のジャック(杰克)。
メイと仕事をしているわけでもなく、メイに恋をしているわけでもなく、ある意味登場人物の中ではメイから一番遠い立場にいるはずなのに、誰よりもメイとモウの事を理解しているのが彼です。
初めてこの映画を見た時は、あまり魅力を感じなかったのですが2回3回と映画を見ている内に好きになりました。
何て言うか、損な役回りなんですよね彼。
でも、とても真っ直ぐな人間なのが伝わってきます。
上映時間も1時間40分程度と長くないので、ちょっとした空き時間にも見ることが出来ておすすめです。手軽な恋愛映画を探している方も、中国語の練習を楽しみながらしたい方も是非一度見てみてください!
作品の舞台である「菁桐」の旅行記も書いています。
よければ映画と合わせて見てみてくださいね!
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